大都市制度を考えるPart2~総合区の可能性~【後編】(第4回_20171028@大阪経済法科大学OUEL研究セン…

第4回 自治フォーラムおおさか 第2部 大都市制度を考えるPart2 総合区の可能性 ~何が変わる 変えられる~ ◎第2部 「住民自治拡充と総合区議会(常任委員会)」 武 直樹 休憩後、自治フォーラム共同代表の武さんにバトンタッチ。総合区になれば、「住民自治が拡充するのか?」という視点でお話いただきました。 金谷氏の説明にもあったように、住民自治の実現に向けた仕組みと予算は現在よりも拡充されることには異論はありません。ただ、中身のある住民自治の実現には「声を届けられる住民」「コーディネートできる中間支援機関や役所」が不可欠と指摘します。いまでも、地域には活動をされている住民はいる一方、区政会議委員は地域の有力者ばかりであったり、意見交換よりも区政報告に重点が置かれたりという課題があります。 同じ轍を踏まないためにも、「①活動されている方々が参画できる専門部会を地域協議会内にもつくる」「②地域協議会と地域自治区内議員が地域のことを専門的に検討する総合区議会(地域版常任委員会)を大阪市議会に設置」「③これらを取りまとめ、役所都合だけではなく住民ニーズを具体的に形にしていく中間支援機関事務局の育成」などを盛り込んだ、住民自治基本条例のようなものを制定することの重要性を参加者で共有していました。 最後に、大阪市議会議長宛の請願・陳情制度を紹介。市長宛の陳情は広く知られていますが、議長宛はあまり知られていません。1人からでも提出でき、法に抵触しなければ、ほぼ議会の議題にもなり、市民の声に議…

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大都市制度を考えるPart2~総合区の可能性~【前編】(第4回_20171028@大阪経済法科大学OUEL研究セン…

第4回 自治フォーラムおおさか 第1部 大都市制度を考えるPart2 総合区の可能性 ~何が変わる 変えられる~ 金谷 一郎さん(大阪経済法科大学客員教授) 武 直樹さん(NPO法人いくの市民活動支援センター代表理事) 西脇 邦雄さん(大阪経済法科大学教授) レポート:けさまる  当日の配布資料はこちら↓↓ 20171028第4回フォーラム資料.pdf 第2回フォーラム(8月開催)では、大阪大学の北村亘先生から「都市制度が生活に与える影響と、総合区であれ特別区であれ、市民が都市制度を知り判断すること」の重要性を学びました。今回は、前東淀川区長として行政経験も豊富な金谷大阪経済法科大学客員教授をお招きし、保育所や就労支援、未利用地活用など具体的なテーマを取り上げ、総合区で変わること・変わらないことを考えました。 ◎第1部 「総合区の可能性」 金谷 一郎 冒頭、ご家族との会話で「総合区になると大阪市がなくなると思っていた」というやりとりを紹介され、同時並行で議論されている総合区と特別区のわかりにくさを指摘されました。2年前の住民投票後、6・8・12区の3案が示され、8区案に一本化された「総合区」。そして、知事・市長の強い意向を受け、4・6区案(2パターン)が再び示されたのが「特別区」です。今回のテーマ「総合区」は、9月に『お知らせ』が各世帯に配布され、11月~12月にかけ説明会が開催されるとはいえ、多くの市民に理解されているとはいえない状況です。  総合区は、「大阪…

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子どもの学び育ちを保障する仕組みを考える【後編】(第3回_20170918@難波市民学習センター)

第3回 自治フォーラムおおさか 第2部 「子どもの学び育ちを保障する仕組みを考える」  ■第2部はワールドカフェ 第二部は「ワールドカフェ」方式で、グループテーブルに模造紙を広げ、話をし、途中メンバーチェンジをしながら「あったらいいな、こんな仕組み!」というテーマで参加者同士の意見交流を行いました。メンバーを変えながら話すことで、発想も広がり、時間が経つにつれて議論も活発になっていくのが印象的でした。ちなみに、話題提供が多様な体験や出会いが中心だったから!?学習支援的な内容は少なかったような・・・ ■こんなアイデアが 以下に、アイデアの一部をご紹介します。 ・卒業しても登校できる学校(夜間の学校の、居場所や再学習の場としての活用) ・気軽に家出できる安心安全なゲストハウス(駆け込み寺的な!) ・子どもリフォーム会社(空き家や空き部屋を子ども達が自由にリフォーム) ・商店街の空き店舗を子どもの自由な体験基地に! ・なんでもできるよろず遊び学びスポーツパーク ・大型バスを活用した子ども若者向けの居場所(毎日区を移動・韓国で事例あり) ・ネットで気軽に相談できて、電話や訪問につながる仕組み ・学校の運動会×町会対抗運動会(一緒にやることで双方にメリット) ・各学校がビジョンを発表、子どもがそれを含めて学校を選ぶ ・夜の溜まり場(古い銭湯をリノベーションしてたまれるところに!) 事後の懇親会では、市政に声を届け反映するために「陳情」の仕組みがうまく使…

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子どもの学び育ちを保障する仕組みを考える【前編】(第3回_20170918@難波市民学習センター)

第3回 自治フォーラムおおさか 第1部 「子どもの学び育ちを保障する仕組みを考える」  中村 有美さん(社会福祉士) 松村 幸裕子さん(NPO法人暮らしづくりネットワーク北芝) 武田 緑さん(一般社団法人コアプラス) レポート:武田 当日の配布資料はこちら↓↓ 20170918第3回_配布資料一式.pdf 今回のテーマは、「子どもの学び育ちを保障する仕組み」。 一人ひとりの人が幸せに生きていくという人権の観点からも、未来の社会づくりの観点からも、子どもたちの豊かな学び育ちの機会を保障することは本当に大切なことです。一方でそれを保障されているとは言えない状況で暮らす子どもたちは少なくありません。 子どもに関わる多様な立場の方に参加いただき、ざっくばらんに、かつ創造的に対話を重ね、子どもたちの学び育ちを保障するための未来の仕組みを共に考える会にしたいと企画をしました。 第一部は「インプット」の時間。私を含む3人の登壇者から、それぞれ15分ほど、話題提供がありました。 ●中村 有美さん(社会福祉士) 一人目は、社会福祉士で、大阪府内スクールソーシャルワーカー、NPO法人フリースクールみなも副理事長、阪南大学非常勤講師、NPO法人スマイルスタイル・ハローライフ相談員などいろんな顔で活動なさっている中村有美さん。 不登校や非行の子ども若者の「やりたい」に勢いでのっかりながら、多くの子どもたちの家出に付き合い、家出先として実家を開放してきた学生時代の経験など、活動の原点にな…

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大都市制度を考えるPart1~制度を変える前に考えたいこと~【後編】(第2回_20170826@難波市民学習センタ…

第2回 自治フォーラムおおさか 第2部 大都市制度を考えるPart1~制度を変える前に考えたいこと~ 休憩前の短時間でしたが、各テーブルで北村先生の講演から学んだことや疑問点を共有するアウトプットの時間を設け、テーブルごとに質問をまとめてもらいました。 第2部は、北村先生、武さん、西脇先生の3名が登壇し、質問カードを用いながら議論を深めました。まず、武氏より、直近の協議会など大阪市の動向についての情報提供と、今後予想されるタイムスケジュールについて説明がありました。 ■質問タイム Q.大都市を考えていく時に、長期的に取り組むべきことはなにか? A.声を上げ続けなければならない。近道はない。大都市は、放っておいても発展するというバイアスがあった。2010年、当時の橋本知事が大阪の現状を全国に発信したことは、市民が考える素地をつくったという点では評価している。 Q.賛成派・反対派と分断されてしまったが、わかり合えるための方策はあるか? A.反対・賛成に凝り固まった状態までいってしまうと、なかなか難しい。まだ判断していない、もしくは、どちらの言い分もわかるといった層にどうアプローチしていくかが重要になってくるのでは。 Q.大阪の停滞の原因はなんですか?知事と市長がバラバラだったからか? A.信用保証協会がひとつになった等の事例もあるが、大きな「二重行政」はない。大阪の停滞は、工場立地制限法の問題が大きい。開発が抑制され、企業が流出してしまった。 …

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大都市制度を考えるPart1~制度を変える前に考えたいこと~【前編】(第2回_20170826@難波市民学習センタ…

第2回 自治フォーラムおおさか 第1部 大都市制度を考えるPart1 ~制度を変える前に考えたいこと~ 北村亘さん(大阪大学法学部教授) 西脇邦雄さん(大阪経済法科大学教授) 武 直樹 (NPO法人いくの市民活動支援センター代表理事) レポート:けさまる  当日の配布資料はこちら↓↓ 20170826第2回配布資料一式.pdf 今回は、北村亘さん(大阪大学法学部教授)をお招きし、「制度や法律、行政システム」を考える少し固いバージョンのフォーラムでしたが、70名を超える方の参加がありました。冒頭、武直樹代表より「大阪市をなくして特別区に分割する都構想と、市は残したまま現在の行政区権限を拡大する総合区の議論が本格的にはじまっているが、そもそも大都市制度とはどのような経過や課題を抱えているのか?についてみなさんと一緒に考えていきたい」とのあいさつがあり、北村先生の講演がはじまりました。 ■北村亘さん 導入として、大都市制度は住民生活に直結しているということをまずはおさえてほしいと、2009年の新型インフルエンザ発生時の騒動が紹介されました。中核市になったばかりのある市は、移管された保健所(※一般市は府県が管轄)の危機管理業務区分がきちんとできておらず大混乱に、また、県と政令指定都市で情報共有が上手くいかず情報が錯綜する事態になったことなどを例示され、都市制度が私たちの暮らしに大きく影響することを知りました。 権限についての説明では、マトリョーシカをたとえに、一番大きな都…

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空き家・空きスペース活用で地域課題に取り組む【後編】(第1回_20170708@阿倍野市民学習センター)

第1回 自治フォーラムおおさか 第2部 「空き家・空きスペース活用で地域課題に取り組む」 ~場所がよみがえる・つながるが生まれる・まちが変わる~ 第2部は、西川さん、橋爪さん、田中さんに引き続き登壇していただき、パネルトークから始まりました。 会場からの質問カードも取り入れ、「空き家はあるけれど、なかなか出会えない。希望する物件にどうたどりつくのか」「行政に要望すること」「運営資金や経費、持続可能なものにしていくために必要なことは」について、聞き手の武さんが論点をしぼりながら話を掘り下げていきました。 パネラーからは、探し方のコツや空き家空き地にはポテンシャルがあり個性もあること、専門家とつながることの必要性、行政が関わることで貸し手が「安心」することなど実践の参考になることばかりでした。なかでも、「やりたいことを明確化すること」と時間をかけて「信頼関係を構築すること」が難しいながらも特に重要だというメッセージが強く頭に残っています。また、こうした取り組みを推進・継続していくには、マッチングやリノベなどの各段階で実践希望者を支える人材と仕組みが欠かせないという認識は会場で共有できたと思います。 最後に、アイデアブレストとして、それぞれ4~6名のグループを作りアウトプットの時間を設けました。その際、気づいたことや空きスペースでこんな活用ができるのではといったアイデアを3色のポストイット(なんと150枚以上の意見をいただきました)に記入してもらい、模造紙へ貼りだしました。 …

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空き家・空きスペース活用で地域課題に取り組む【前編】(第1回_20170708@阿倍野市民学習センター)

第1回 自治フォーラムおおさか 第1部 「空き家・空きスペース活用で地域課題に取り組む」 ~場所がよみがえる・つながるが生まれる・まちが変わる~ 田中 晃代 さん(近畿大学准教授) 橋爪 大輔 さん(生野区まちづくりセンター)  西川 亮 さん(NPO法人Co.to.hana代表)  武 直樹 (NPO法人いくの市民活動支援センター代表理事) レポート:けさまる  当日の配布資料はこちら↓↓ 20170708配布資料一式.pdf 予想を超える180名超の来場があり、座席や資料が足らずご迷惑おかけした方には申し訳ありませんでしたが、たくさんの参加があったことは、うれしかったです。最初に武直樹氏(NPO法人いくの市民活動センター代表理事)から、「自治フォーラムってなに?」の説明から始まりました。 ①武直樹 ~自治フォーラムってなに?~ 「自治」と聞くととっつきにくくて、かけ離れたイメージがあるけど、実はわれわれの身近な生活をどうするの?ということ。空き家や教育、こわれた道路など身近な問題を市民・行政・専門家みんなでアイデアを出し合って、まちのことをよくしていこうというのがまさに自治。ほんとは身近なんだけど、なかなか遠くに感じてしまう自治をテーマに、みんなで語り合える月1回の場が自治フォーラムです。 第1回はとっつきやすいテーマで「空き家」。でも、身近な問題を突き詰めて考えていくと制度や省令、法律、政策などにぶち当たってしまう。ここも避けて通れないので、とっつきやすいテ…

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自治フォーラムおおさかとは??

「自治」とかいうとなんとなく堅苦しいし、自分ごとじゃない感じがしてしまうかもしれません。真面目に考え出すと、それこそ制度や法律の話もかかわってくるので、ハードルが高いですよね。 でも、まちの仕組みや制度がどうなるかというのは、子育てのしやすさや、老後安心して暮らせるか、災害が起きたらどうするか、そんな私たち一人ひとりの暮らしと、実はすごく関係があります。 「自治」というのは、そんなまちの仕組みづくりに私たち自身が参加・参画していくことです。ほんとはとっても身近だし、知恵やアイデアを出して「未来」をつくる試みっておもしろいと思うのです。 そこで自治フォーラムおおさかでは、2017年7月から 身近でとっつきやすく考えられる「日々の暮らしや地域生活」にまつわるテーマ。 ちょっと難しいけどすごく大事な「制度や行政システム」をテーマ。 そんなことを一緒に考える場を開いています。

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