大阪の下町成長戦略を考える~空家活用を切り口に~【後半】(第10回_20180922@平野区画整理記念会館)

第10回 自治フォーラムおおさか 第2部 大阪の下町成長戦略を考える~空家活用を切り口に~ 〇生野区空家利活用事例紹介(伊藤 千春) 「ただただ自分たちで空家を改修してみたかった」という伊藤さん。そんな時、生野区桃谷の空家と出会い、念願をかなえ自宅へとDIY。1階を“イベントと、ギャラリーitochiha”として、「住み開き」も実践。写真展や映画祭、紙芝居といった芸術文化から料理教室や桃谷のまちあそびなどのイベントをやったり、まるで「おとなの秘密基地」。そんな伊藤さんの周りには、一緒に楽しむ人々が集まり、地域の小学校や神社を巻き込んだイベント、近くの空き倉庫を活用したイベントなど、itochihaを拠点に桃谷も動き始めています。ちなみに、映画祭は「桃の節句に、桃谷で、桃色映画祭」と伊藤さんの桃谷ラブ度合が伝わるネーミングです。 また、建築家でもある伊藤さんは、空家を探していた時の大家さんのつぶやき「まちとひとも高齢化して、空家が増えている。でも古い町並みがなくなるのは悲しい。若い人が古い建物をうまく使ってくれたらな~」という声が忘れられません。平成27年に生野区役所の呼びかけで開催された「生野区空家リノベーションアイディアコンクール」や貸し手や借り手のマッチングの取組「空家カフェ(毎月19日)」、生野区の下町情報誌「桃谷ロイター」などなどを通じて4軒の空き家活用にも関わっています。第1号PJの橋爪邸の工事は、夜な夜な関係者が集まり、ワイワイガヤガヤ語りながら、地元の木材店を使った工…

続きを読む

大阪の下町成長戦略を考える~空家活用を切り口に~【前半】(第10回_20180922@平野区画整理記念会館)

第10回 自治フォーラムおおさか 第1部 大阪の下町成長戦略を考える~空家活用を切り口に~ 高見 一夫 氏(A´ワーク創造館館長/中小企業診断士) 葛西リサ 氏(日本学術振興会特別研究員:立教大学所属 ) 伊藤 千春 氏(イトウチハル建築設計工房/itochiha 主宰) 武 直樹(自治フォーラムおおさか共同代表) レポート:みなみ 延雄 人口が減少していくなかで、新しい福祉や教育の提案をしてもひっかっかるのは財源論。 総合区・特別区という、都市制度をとりあげて財政をテーマに議論はしてきましたが、成長戦略については、触れてきませんでした。 オフィスの集まる中央区・西区・北区という稼ぎ頭だけではなく、地場産業や地域資源を巻き込みながら「下町成長戦略」を考えるのが今回のテーマでした。 みなさんの報告を聞きながら、国の事業承継の特別融資を活用した工程分解や設備投資を行い、誰もが働ける工程へと進化させる。短時間労働でのワークシェアも可能にする。そうすれば、中小企業の後継者問題と就労支援を同じ土俵で論じることができるかも。そんな、まち工場の再興と周辺の空家活用が一体となった、就住一貫のまちづくりを夢想してしまいました。 〇官民共の協働で市民のための地域経済政策を(高見 一夫) 高見さんは、大阪市経済の特徴を「①バブル崩壊以降、“失われた30年”の影響を強く受けている」「②市外からヒト・モノ・カネが流入しているが、中央区・北区・西区に集中している」ことを説明し、「③万博やIRを…

続きを読む